工房閑話
小室氏のビザは?
あるメディアが「就職が決まりビザを取得した。」と報じていたが、小室氏の学歴と弁護士事務所への就職を合わせると、H1B資格取得に特に支障はなく、聞き流していたが、2021年度枠(10月から就労可能)の申請受付は今年の4月には終了していることを思い出した。彼の滞在資格はどうなっているのだろう。
恐らく、Fビザで就学した学生に認められる就業実習とも云えるオプショナル・プラクティカル・トレーニングに拠る雇用だろう。就学中及び卒業後、合算して1年間フルタイムで就業することが可能になる。メディアが、これをビザと表現してしまう可能性はありそうだ。
H1Bを取得できている可能性はないのか? 日本で取得済みの学士資格を利用して、今年の3月に申請していれば、10月から就業できるH1Bが許可されている可能性はある。しかしH1B申請は雇用主によって行われる。つまり3月時点で雇用が決まっていることが要件であり、これには無理がありそうだ。
しかし、ビザ業務に関わる立場にとって、何より気懸かりなのは、小室氏の先の留学ビザ申請に際して、財政証明に不正があったことを本人が(恐らく認識不足のせいで)、公表していることである。経緯については以下の「小室氏の弁明」を参照願いたい。
ビザ審査官からすると、ビザ申請者が提出する書類の真贋を見極めるのは容易ではない。提出した預金残高証明が、ビザ申請のために第三者から一時的に借りた金かどうかを見抜くのも然りで、現実的には性善説に立った審査を行わざるを得ない。そのため「不正書類の提出は永久にビザ資格を失うことになる。」と強く戒
めることで、不適格者の入国を阻止しようとしているが、入国者に財務面での保障を求めることは、国家安全保障上の重要テーマでもある。
小室氏のように自ら不正を告白することは前代未聞で、当局もその扱いに困惑しているのではと想像する。はたして時の人のこの行為が看過されるのか、その判断に目が離せない。ビザ申請時あるいは米国再入国時にその結果が見えることになるだろう。
2021年10月15日