アメリカビザ解説



Fビザ等に於ける財政証明



 在日アメリカ大使館のサイトに、Fビザ申請に必要な財政証明に関する以下の記述がある。

・留学の初年度のあらゆる費用を賄う十分な資金があること、および米国滞在中のあらゆる費用を賄う十分な資金があることを証明でき、申請を補足する財務書類およびその他の書類。
・銀行の残高証明書原本もしくは預金通帳原本。銀行の残高証明書のコピーは原本と共に提出してください。



 これらの文章は非常に分かりにくく、残念ながら取扱い説明書としては難があ
る。大使館は日本語訳はあくまで参考に過ぎないとしている(危機管理に優れている)ので、英語版を調べてみると次のように理解できる。
・渡米に関わる全必要経費を賄う財力があることを証明できる書類。
・例:銀行の残高証明書。コピーを提出する場合は原本か通帳の提示要。

 

 ちなみに元締めともいうべき国務省の記述は以下のとおり、「領事は必要経費を賄う証拠書類を要求する可能性がある。」で片付けている。
A consular officer will interview you to determine your qualifications for a student visa, and may request additional documents, such as evidence of:
・How you will pay all educational, living and travel costs. 

 

 意図するところは、充分な財政基盤の無い外国人が入国し、アメリカ人に不利
益をもたらすのを防ぐことにある。この要件はアメリカに入国する外国人に共通して求められており、これを理解しておくことは、他のビザのドキュメント作成に際しても大いに有用である。

 

 余談ながら、自国民の利益を守るためには理に適った要件だと思うが、日本に
於いてはこの点が欠落している。日本での滞在に際して、充分な経済的基盤が無
いのみならず、多額の借金を抱えて来日している留学生や労働者は珍しくない。
報道によると特にコロナ禍ということもあり、大勢の外国人が窮地に立たされ
ている。制度の見直しが必要だろう。

 

                           2021年4月15日

 

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