アメリカビザ解説
Eビザスペシャリストの要件
Eビザスペシャリストとしての基本的な要件とは、当該企業の運営に不可欠な特殊能力を持っていることであるが、FAM(国務省のマニュアル)に拠ると「その特殊能力とは、明確な基準を機械的に適用して判定できるものではない」とされており、 「その不可欠性は個別の事実に基づいて審査されなければならない」と続いている。つまり、要件を満たしているかどうかは、領事の裁量に拠るところが大きいのである。
基本的要件を満たすためには、以下の二つの事項を押さえなければならない。
まず一番目に、雇用先(在米邦人)に於けるポジションが、その特殊能力を必要とするポジション(高度な専門職と読み替えると、より分かり易い)であること。エンジニア、アナリスト等が該当するが、残念ながら需要の高い営業マンは該当しにくい。
次に、そのポジションを担う能力があることを証明しなければならない。
これらの審査に際しては、学歴、職歴、給与等が重要な判断材料となる。
例えば、申請者が工学部を卒業し、一定の知名度のある企業でエンジニアとして10年の勤務の後、在米子会社に出向する場合、この要件を満たしていることを説明するのはさほど困難ではない。しかし、勤務先の知名度が必ずしも高くない、勤務年数が短い、学歴が職務内容と直接関係が無い、在米企業に転職する(Lビザと異なり、認められている)等の場合は、その専門性について、より慎重な説明が求められる。