< 工房閑話 サイパン帰行 >


2.サイパンのイミグレーション


 アメリカ人のブラックジョークに「Good news and bad news」と云うのがある。例えば、「こちら機長、Good news and bad newsがある。Good news は予定より30分早く着いたよ。Bad news はゲートが空いていないので、30分待機する」まずこんな具合である。
 久し振りのサイパンに、軽い興奮をおぼえながら入国審査場に到着。しかし、そこには誰もいない。ディズニー並びのロープをくぐって入国審査ブースの前へ。ひたすら待つこと20分余、ようやくユニフォームの一団が登場。CBP(米国税関国境警備局)の職員である。爪楊枝こそ口に加えていないが、昼食後のサラリーマンの一団が、オフィスに帰ってくる場面が頭に浮かんできた。私を担当した審査官氏、あまり機嫌が良くない。折角のリゾートなのにとやや興醒めするも、きちんと45日間の滞在許可が出たので、良しとしよう。
 事前情報によると、ビザなし、ESTAなしの場合は帰途の航空券が必要とあったが、特に提示の要求もなかった。  20分待ちぼうけを食らうと云う「bad news」に見舞われたが、おかげで預けた荷物はターンテーブルの前で我々を待ってくれているという「good news」もついてきた。税関検査、こちらは北マリアナの職員、全身で友好を表現している若い娘さんだった。「サイパンは初めてか?」と聞くので、「30年数年前に来たことがある。君が生まれたころかな?」と云うと笑いながら「No way !」と返ってきた。こうでなくては。


 

工房閑話 サイパン帰行に戻る