工房閑話
中国人出産ツアー
2014年8月23日の朝日新聞朝刊に「子に米国籍を」中国人出産ツアーと云う見出しで興味深い記事が出ていた。中国籍の妊婦が、生まれてくる子供にアメリカ国籍を取得させるべく、出産のために渡米するというものである。そう云えば、過日サイパンでも同様の話を聞いたことがある。アメリカは国籍決定に際して、「出生地主義」を採っており、アメリカで生まれた子供は、ほぼ無条件でアメリカ国籍が取得できるのである。
一体何ビザを取るのだろう?
留学ビザ? 就労ビザ? 恐らく大多数は観光(B)ビザだろう。但し、もし出産が目的であるのに観光と偽ってビザを申請し、入国するとしたら違法である。従って、ビザ申請時及び入国審査で許可されないケースも発生しているのだろうが、斡旋業者は500社にのぼり、2013年に出産する妊婦は2万人に達すると云う中国紙による推計が紹介されていた。日本で2013年に発給された非移民ビザの件数が9万件弱であることを考えると、その数字の大きさが良く分かる。
法律の適正な運用・執行は、そう簡単ではないが、移民法もその例外ではないことを示す好例かも知れない。