工房閑話
アメリカ人のビザ手続き
JTBビザセンター時代に、アメリカ人のビザ手続きの進め方について、興味深い体験をしました。アメリカ大使館の橋渡しで、在日米軍の技官のビザ手続きを引受けることになったのですが、発展途上国にある米国大使館の工事に派遣される際に、公用ビザが必要というわけです。
手続きは、電話でオーダーを受け、我々が手続き案内をすることになっているのですが、それを待たずに沖縄の基地から宅配便でパスポート、写真、申請書、ビザフィー(往々にして硬貨を伴う)が送られてくるのです。おもしろいことに、申請者自身が情報を収集し、手書きながら申請書も作成済みのものを送ってきます。従って我々の出番は代理提出・代理受領のみで、一見楽なようですが、普段の立ち位置を変えるのに少なからず戸惑ったものです。どうも勝手が違って調子が狂うのです。
勿論、難度の高いアメリカのビザと同日に論じるわけにはいきませんが、実に見事な自主・自立の姿勢ではありませんか。良い悪いは別にして、これがグローバルスタンダードで、日本人の不得手な部分でもあるような気がしています。