工房閑話
佐渡おけさ
佐渡には一度だけ行ったことがある。第一歩は北前船で栄えた小木港だった。明治の文豪・尾崎紅葉ゆかりの宿で、海の幸に舌鼓をうち、女中さんから佐渡おけさの手ほどきを受けた。なんとも贅沢で濃厚な時間だった。「ハァー佐渡へ、佐渡へと草木もなびくよ」。
トランプ政権が復活した。失意の4年間で磨きをかけたトランプ節に、変節漢が続出。猫も杓子も新大統領になびいている。自分自身や組織を守るためだろうが、信条も誇りも胸を張ってかなぐり捨てるさまに、人間の業を見せつけられる。地球の先行きについて、灰神楽がたつように百家が争鳴しているが、糸の切れた凧の行先など誰にも分りようがない。
選挙結果はトランプ氏の圧勝と云う評価が目立つが、得票数を丸めると7,700万 VS 7,500万。現役副大統領として甘受したバイデン政権への不満分を差し引くと、ハリス氏が勝利していたと確信できる程度の差でしかなく、アメリカの良識を見限るには未だ早い。
一説に拠ると「佐渡おけさ」のルーツは熊本のハイヤ節だそうだ。その熊本の民謡「おてもやん」は高々と歌いあげている。「あとはどうなときゃあなろたい(何とかなる)」。
2025年1月30日