工房閑話

 

 

 

熱中症にご用心

 

 「今日も都内で最高気温30度超えの夏日を記録し、17人が熱中症の疑いで救急搬送されました。今夜もエアコンをかけっぱなしにしてお寝み下さい。」とは、先日のテレビニュースの声。東北震災以来、NHKから民放まで、災害関連報道が花盛り。一昨日もテレビから大雨を伝える声が流れてきた。その切迫した声とは裏腹に、ターミナル駅が映る画面には、普段とさほど変わらない風景が流れている。また、北朝鮮のミサイルが注目を浴びていた頃に「建物の中に避難して下さい。」と云うのがあったが、弾道ミサイルにどれほどの効果があるのだろう。量はともかく、質には課題がある。

 気骨のありそうなキャスターが外される事態が続いた時期があったが、あのNHKも例外ではなかった。その最後の一人は、気の毒なことに、期せずしてお上の不興を買ってしまったように見えた。この頃の会長の「政府が右と云っていることに、NHKが左と云うわけにはいかない。」との弁には驚いたが、むしろ我が国のメディアの本音を正直に語っていたのだと思う。

 公共の電波を預かるメディアには、もう少し力の入れ所を考えて欲しいと思う。確かに「熱中症に注意」と叫んでいる分には、お上のお咎めはないし、ひょっとすると感謝してくれる視聴者もいるのかも知れない。それにしても、スーツ・ネクタイのキャスターの「熱中症に注意。エアコンをつけっぱなしでお寝み下さい。」には鼻白んでしまう。

 過日、近所を散歩中のこと。交差点で信号待ちをしている大勢の人を尻目に、堂々と通りを渡る大柄な中年の男が視野に入った。テニス仲間のデイヴィッドではないか。さすがアメリカ人・・・。

 

  

 

 

                            2024年6月29日

 

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