工房閑話
大谷旋風
ソウルで開催されたドジャース Vs パドレスのMLB開幕戦は、日韓に大谷旋風を巻き起こした。そこに水原通訳の違法賭博事件が発覚し、いやが上にもマスコミの報道は過熱を極めている。やや度を越していると思うが、報道各社は大衆のニーズここに在りと確信しているのだろう。事実関係が明らかにならない中、専門家なる人達を動員して百花繚乱の名解説を展開している。
3月22日のLAタイムズの記者ヒューストン・ミッチェル氏の記事はこれに一石を投じている。曰く”Ohtani has to grow up”。「大谷は、野球以外の事にも社会人として責任を持たなければならない。」と云う感想が、この言葉に集約されている。確かに今回の一件で、本人以外にも迷惑を被っている関係者がいることを考えると、ミッチェル氏の言葉にも一理ある。この一件が、大谷の人間としての品格を豪も落とすことはないが、グローバルスタンダードの本家本元であるアメリカで活躍するには、より大人になる必要があるのだろう。
もし日本で大谷を批判するような記事を書けば、間違いなく十字砲火を浴びることになる。古くは、国民的人気を博した長嶋茂雄、高倉健、そして吉永小百合等に関する批判的な報道を、マスコミは避けている。この辺りに、あらためてアメリカのジャーナリズムの凄みが垣間見える。
2024年3月24日