工房閑話

 

 

2020年

 

 經驗したことの無いような暖かい正月になったが、大寒を迎えても拍子抜けする陽気である。世界のいたるところで異常気象が報道されているが、進行速度に弾みがついているような気がするのは思い過ごしだろうか。
 
 ダボス会議に於けるトランプ大統領のスピーチは、現代の混沌を象徴している。気候変動のみならず、政情不安、経済摩擦まで、その震源は大統領その人なのだが、涼しい顔で、まるで米国内の支援者に語り掛けるように、3年間の実績を自画自賛している。その実績とは平たく言うと、他国(同盟国を含め)からカネを巻き上げたことである。聞かされる方こそいい面の皮と云うものだ。

 

 多少ともアメリカを理解しているつもりだったのだが、年が変わっても未だ、この流儀に少なからず盤石の支持層が存在することに、頭の整理ができないのである。


 

                             2020年1月22日

 

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