工房閑話

 

 

2019年とは

 

 後世、2019年は、世界がなりふり構わず「自国第一主義」に大きく舵を切った年と位置付けられるかも知れない。自国どころか「自分第一」が見えてきている。
 

 COP25は、それを象徴するような結末を迎えた。「温室効果ガス削減目標の引き上げ」及び「排出削減量の国際取引に関するルールの合意形成」と云う二つの重要課題を始め、その他の懸案も先送りになってしまった。参加国の主張の隔たり(と云うと体裁はいいが、有り様は自国第一主義に他ならない。)を埋めることができなかった。地球が壊れてしまっては元も子もないのだが・・・。

 科学者が温暖化に警鐘を鳴らし始めて久しいが、我が国に於いても、この夏の台風被害は、我々に深刻な衝撃を与えた。異常気象は誰の目にも明らかになったが、依然政府の反応は鈍く、日本代表の小泉大臣は宿題に対する回答を持たず、手ぶらで参加するはめになった。案の定、彼の演説は言い訳以上の評価を受けず、有力候補とも云える腰の重い排出量上位の国々を抑えて、二度「化石賞」なる不名誉な賞を頂いてしまった。次世代の宰相候補としては、リスクを冒してでも一歩も二歩も踏み込んで欲しかった。

 

 感性の鈍い世界の指導者にも動揺を与えている、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんの率直な言葉と勇気ある行動は、若者を中心に世界中に支持を広げている。日本人にも波及することを願って止まない。

 

                             2019年12月24日

 

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