工房閑話
平成最後の年
平成最後の年が始まった。
思えば、平成元年のベルリンの壁の崩壊で東西冷戦に終止符が打たれた。誰もが平和の到来を予感したが、世界は新たな課題に見舞われたまま平成も終わろうとしている。負の側面が目立ってきているが、グローバリゼーションは今日の世界を読み解くキーワードの一つだろう。
その潮流の洗礼を受けながらも、我が国は特異な位置を死守しているように見える。
東京五輪・パラリンピック招致委員会の責任者だった日本オリンピック委員会会長を、フランス当局が贈賄容疑で捜査していることが分かった。同会長は「自身は如何なる意思決定プロセスにも参加せず、最後に書類に押印しただけ」と釈明している。まさに「事実は小説より奇なり」だが、そもそも誰も、福島の原発事故の責任を問われていないことからすると、驚くに足りないのかも知れない。
今年もこのDNAの落差を忘れずに、仕事に向かうことにしよう。
2019年1月19日