工房閑話
悪魔の証明
相次ぐ新事実の出現により、森友・加計問題が益々加熱している。恣意的な隠蔽の気配に、お上に寛容な本邦同胞も、さすがに不信感を募らせてきており、これからも無理筋が通るかどうか、予断を許さなくなってきた。
過日、首相が国会答弁で「悪魔の証明」という言葉を使った。「私が国有地払い下げに関わっていないことを証明するということは、悪魔の証明と云って、それは不可能である。」というような使われ方であったと思う。確かに「ない」ことを証明することは不可能である。刑事裁判なら有罪が証明されない限りお構いなし、敢えて無罪を証明するには及ばない。しかし、ことは民主政治の根幹にかかわる問題である。ここまで堕ちた政府の信頼を回復するためには、この証明に挑む他はない。
米国非移民ビザ取得のために、申請者は「アメリカに居座らない」ことを証明しなければならない。これを100%担保する方法など存在しないのだが、有りようは現実的な審査をしてくれているので、さほどの心配には及ばない。但し、一旦申告内容に疑義を持たれると、「悪魔の証明」となってしまう。
2018年4月17日