工房閑話
ノア
知人の今年生まれた孫の名前がノアと聞いた。旧約聖書の創世記に、堕落した人間を大洪水で滅ぼすことを決めた主は、主と共にあるノアとその家族を救うために、ノアに方舟の建造を命じたとある。
今年を振り返ると、メディアを賑わすニュースの何と多かったことだろう。露出度ナンバーワンが、米国大統領であることに異論を挟む余地はなさそうだ。奔放な言動に、失礼ながら、パニックの語源となったギリシア神話のパンの神を思い出す。ビザだけに限っても、充分パニックだった。
我が国に於いては、習さんにいきなり喧嘩を売る新首相に支持が集まり、政権中枢から「核兵器を持つべき」との声が出る時代が到来。気候変動と云う通奏低音の上に円安、財政悪化、異常なインフレ等々不安の種が膨らんでいるが、急成長するエンターテインメントビジネスのおかげで、我々はそれを払い除け、先の戦争も福島原発事故も歴史の彼方に追いやっている。クリスチャンならぬ我が身だが、神の怒りの再来が頭をかすめる。
クリスチャンならぬ知人の孫の両親も、創世記とは無縁で、ただそのハイカラな響きに魅かれて愛息にこの名前を授けたらしい。とは言え折角の不思議な縁、ノアの如く神に祝福される人間に育ってもらいたい。
2025年12月24日
