工房閑話
大統領選
州知事選だったが、アメリカの選挙戦の一端を体感したことがある。ある日ユニークなテレビコマーシャルが登場したのだが、広大なお花畑を、蜂が猛スピードで飛んでいくのを背景に、「多額の税金をつぎ込んで蜂を喜ばせている。」と云う現職州知事への批判が流れてきた。その辛辣な言葉を繰り出して、相手を非難するアメリカ流に驚かされたが、軽快な音楽とともに、自分が飛んでいるような蜂の目線で捉えた映像は爽快で、蜂の喜びが伝わってきてコマーシャルとしても秀逸だった。
多少免疫がある身にとっても、今期の大統領選はいただけない。到底大統領の言葉とは思えない罵詈雑言とフェイクに溢れており、さすがのアメリカ市民も辟易としていることだろう。現政権の評価が定まるにはあと少し時間が必要かもしれないが、世界の警察どころか地球を大混乱に陥れ、辛うじて保たれている地球の平和と安定を危うくしている。これでは順調にバイデン氏が勝利しても、煽りに煽られた国内の分断修復一つをとっても、さぞ骨が折れることだろう。何しろトランプ支持派による民主党系知事の誘拐計画が発覚すると云う、クーデターさながらの事件まで勃発している。政情不安の中東での出来事ではなく、民主主義の旗手であるアメリカに於いてである。それを容認しているように見える現政権に、民主主義システムの限界まで感じてしまう。4年前の悪夢の再来はご免こうむりたい。11月3日はすぐそこだ。
2020年10月21日